月が
高みから
晧、と呼ぶので
虫が
地中で
コウ、と答える
土の中
一寸ほど ....
髪かわかしたら?
髪かわかしたらメールしますね、って
きみの髪が一万光年の長さだった ....
きみに同苦したい
こころからそう思う
一万光年の髪を乾かしてからだね
きみがぼくに ....
せつなくて
封 印
苦しくて
封 印
意識の底の底の底
君をグッと押し込めた
....
あの靴はどこにいったの
あの靴はなに色だったの
いつのまにか靴は
あたしのなかで赤い色になっ ....
あなたの中には穴がある
なるほど
あなたは「あな」の「た」だ
あなたの中には鉈もある
な ....
うらやむという気持ちは
胸の内側がやけるような
足を小さな虫がはいずるような
そんな小さなほこ ....
恋をすると女は美しくなると申しますが
恋をすると男は醜くなるのです
それはそれは醜く浅ましくなる ....
詩集の表紙には闇夜に浮かぶ舟の漁火が、誘導するようにふわりと灯り、
誘われるまま詩集を開くと、霧 ....
飛行機の国内線でバグドグラ空港へ飛びました。ここから乗り合いジープで標高2134メートルに位置するダ ....
おまえが愛だと信じて疑わないもの
それは俺には支配でしかない
おまえが野蛮だと吐き捨てるもの ....
たばこのヤニで煤けたリビングの壁に一箇所
まるで雪景色を穿ったような真新しい壁紙が気になる
....
これはロシアのお話です
ワーニャという女の子が
冬の森を家へといそいでいました
こ ....
{引用=
ごめんねとさよならばかりを繰り返し わたしの傍で疲れて眠る
なんでかな ....
{引用=
呼吸をしていた
それなのに産声じゃなかった
あなたを呼んでいた
それでも求めて ....
{引用=
*指先をソーダ水に浸しては 「なんで今日も消えてしまうの?」*
き ....
雪は雪に飛び
鱗の声は撒かれ散る
径に落ちたひとつの実
枝を曇を空を照 ....
僕は星が好きなんだ。とくに月が好き。
地球や太陽や月も星なんだよ。ときどき忘れちゃうこともある ....
星の数だけ浮かんだそれぞれ孤独なロダンと
それぞれ頭の中で試されるモダニズム
泣きべそをかいた子 ....
檻の中に
駝鳥がいました
詩の中に
智恵子がいました
旭川市旭山動物園は
....
星が流れる夜明け前
二人は無口になって
遥かな水平線みつめてた
流星尾を引いて空を行く
永遠 ....
ゆうべ 私があんなに泣いたのに
月は何も言わない
ただちょっと 欠けただけ
こぼれた欠片が ....
夜明け前に起きることが 習慣になったこの頃
君がちっちゃいころに こういうふうに出来たら
朝お腹 ....
背中を丸めて屈むぼくに
子供が飛び掛り
反対側へ跳んでいく
衝突しそうな予感 ....
君の祈りが膨 ....
教えてあげる、秘密の中の秘密
ほんとは、みんな、ひとりぽっちだって
ほんとは、みんなも、 ....
導き出されていく会社に失敗は
誰かの憎まされた僕に
君へと立たされた、一言も言わずに並んでいたの ....
金庫がよく売れる時代だ
固く閉ざされた扉の中に
僕らの未来や願いなんて
これっぽっちも詰まって ....
娘には愛を受ける権利がある
娘には、すきなときにだっこをしてもらう権利がある
父親の記憶 ....
私のおっぱいは
今じゃ毛むくじゃら
立ってもわからない
メラニンが多い
私のおっぱいは
....
あたしの生き方間違ってるかなぁってのが口癖のマキは
溶けやすい製氷機の氷を適当にグラスにほうり ....
空の彼方から落ちてくる色は
僕の上から鮮やかに身をひるがえした
ぐるぐる駆け回っている粒子た ....
六本木合成麻薬再逮捕保護責任者遺棄容疑だね
なつかしいには二種類あるね
遠くなって久しかったものに
また会えたとき
ずっと会いたかった ....
けふも又減少したり生命力生きる力も日々に衰へ 攝津正
歌作の心得のある者には失笑の一首 ....
雨が好きだと 聞きました
コンクリートを細く打つ
水粒達の音を聴き
空間の糸筋楽し ....
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