亀割れて赤黒きもの見えにけり亀の中身の割れて見えけり
ねぇ 覚えてますか?
初めて逢ったあの時を
風が涼しい秋の頃だった
....
臨界点に到達する前に
呼吸を荒げた影が囲う
優しい箱庭に
わたし 今日もだまされながら
小銭 ....
ある ところに おとこのこが いました。
これから びょうきの おかあさんの お ....
裂礫を繰り返して
果て、
新しい暮れに出会う
カワラヒワの子供は
膨らみすぎたその羽 ....
乳飲み子がやって来た。その兄の二歳児にも手を焼かされる。
母親と祖母が二歳児を夜の散歩に連れ ....
午後6時、早々に暗くなった道を
蛙は横断する。
警戒するヘッドライトはまだ十分な距離がある。
....
この線から出たらダメ
頑張ってよ
って背中をたたく私の右手
何度もうなずき
力な ....
記憶に新しいのは 笑って過ごした日々
私はあなたが好きでした
それだけでよかったのです
あ ....
平和な世の中
退屈なオートメーションの日々に
のみこまれて
僕はロボットになってしまいそう
....
君に歌って欲しいんだ
君の歌
君は歌うことしかできないけど、それでいいんだ
絶望の空から聴 ....
車のドアを開けて
アスファルトに降り立ち
ゆっくりと
夕焼けを踏む
夕焼けについて書こう ....
ねえ、遠くの君がゆるやかに流れて
形にならない欠けてしまった星たちが
泣きながら私の跡を追っ ....
目、良くない
目、悪くなった
目、ケータイ画面の見過ぎでさ
目、ドライアイ
目、逆睫毛
目 ....
消したくなかった
あの時の
インクのしみ
今でも 変わらない
ロイヤル・ブルー
何を書いた ....
心に優しく そして 人に優しく
やわらかくなろうよ
今日も笑顔に花が咲く
太陽 そして 青い空 白い ....
わたしのちっぽけな思いなんて
秋の空にずいぶん前に溶けた
めまいがする
肩 ....
ハ。ロー。意識。意思。を。保って、いる?消え、た。流れ。製氷器、に。製氷器、を。埋め、尽くし ....
ハ、ロー。ハ、ロー。現在、は午前1時。僕の心の灰の水の心は、相も変わらず流れ続けている。目は ....
まほらの幻影を見て
自我を誰かに押し付けて
僕は僕に酔うのです
君が僕を裏切ることも
....
彼の帰りに、お見送りします
玄関先には
私の部屋の灯りだけがか薄く見
えるだけ
ほん ....
秋の風がふとく吹いた
東京のしたの方に台風はあった
商店街は黄金いろで
人間の顔を ....
炎に包まれ酸欠しそうな戦場の中で
無言の子供の瞳に映った
焼け跡で繰り広げられる争い
人が殺されてく ....
殺される前に殺せ
ほんとにやるのか
やわらかい生活
はねっかえるからむずかしいんだよ
....
俺のことを暗い奴だと思ってる奴を俺は好きにはなれないが、ただ単に明るい奴だと思ってる奴は大嫌いだ ....
長いあいだ
気づくことがありませんでした
そう それは、旅人たちのしごとなのですね
忘れそ ....
雨を乞うて
孤独を満たすの
暗闇に押し黙った私には
この空はあんまりにも
明るすぎる
....
黄昏時
万世橋から昌平橋
煉瓦造りのガード下
ぼーっと浮かぶその灯かり
なぜか涙があふれ ....
昨日実家に帰ってきて今日は本当に予定がない。
家の隣が中学校なのだが(中学時代はふらっと学校に通え ....
弄び過ぎたライターの火は
煙草を近づけると消え
明日は
昨日の中に終わっていた
何か伝え ....
私の脱ぎ捨てた靴を
整理するその手を
一人で黙々と
料理するその手を
じっくりと眺め ....
私たちは独房だ
私たちはセルロースの
薄い被膜で隔てたままの
私たちが抱き合ったり
やわ ....
誰にだって あるだろう
消したい記憶 辛い過去
誰にだって あるだろう
見 ....
がたがたになった
コンクリートに
濁った赤が染みこんでいく
粘度は高く
糸をひいている
海 ....
秋のゲシュタルト
ミニチュアローズの五つ子姫
早く咲いてね
咲いたらすぐ引っ越ししてもらわ ....
この季節になると思い出します
行きも帰りもバスでした
山奥の芋煮会場に着くと
澄ん ....
比べるものでなく、
善し悪しが在るでなく。
僕には僕の、
君には君の。
誰 ....
巨きな木箱は赤杉の
爪をたてるように 水をそそぐ
息をふく焼け石を投げ入れ 囂々
貝を煮る
....
ゴミ箱のように
それに入れる手が楽しいので 俺は
屍をゴミ箱にするから
吐きだしても
それが ....
マミが笑って ユウコが溶けて
窓からの日差しで
宙に舞っているわたぼこりがよく見えた
溶け ....
たわし二十歳 竹ざおの思い出をどうにかして
夜になると また青くて白い森の少女の姿 わたしたち
....
両の手で耳を塞いで
これまでにない大声で私は
叫びながらしゃがんだ
いつからいつまでが子供 ....
結合因子が重なって
「私」という包みが生まれた
誰かに閉じられやがて誰かに解かれてゆく
「 ....
夕焼けが夕焼けとしてあるためにポプラを植える人達の列
初めから数えて22本目はジョシュアと ....
祈りが終わった午後
少年が誰もいない浜辺の砂の中を這い回り
内側から絞りだされるヌメヌメした粘液 ....
『簡素な週末』
シルバーWeekに君がくれたキラキラをすべて引っぺがして
自由に跳べる羽を腕に ....
「ここに、500円の道具があります。
これを使うとあなたは幸せになれます」
とあったときに、 ....
神戸からただ何気なく訪れてみた紀州・和歌山
そこに意味なんて何もなくて、ただ18切符の旅のついでに ....
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