他のだれかに抱かれ
絹の光沢につつまれて蠢く
薔薇色に火照る肌に
美しく焼かれる ....
地図に従い ミツバチたちが 花の印の土地をめざす 数えきれないくらい 長い時間が費やされて 大事な役 ....
私の中にいる私は
だれ?
本に書かれてあることを
そのままに信じてしまう私が
私の中にい ....
はい。創書日和についてです。
『創書日和。』って、最初はうちの大学の文芸部の冊子だったのです。 ....
紅く憂いに帯びた君
その紅い着物を丁寧に脱がせば
優しい色をした君の素肌を目にする
舐め ....
いつもはつけるキャンドルのランプを
きのうはつけなかった。
突然、ものすごい疲労感に襲わ ....
{ルビ滑稽=こっけい}な自分の姿を{ルビ罵=ののし}られ
哀しい気持で歩いてた
帰って来 ....
牛乳おじさんは
ラジオ体操のおわった朝
ときおり
虫の幼虫や
脱皮したばかりの
透 ....
虹色をきみにこぼした
そらを云うほどは見上げてなかったから
ことばが透明な箱の中とうとつ ....
他の人がしたことで
{ルビ叱=しか}られて じっと 耐えていると
罪も無く十字架にかけられた ....
☆赤黄茶で
染まる{ルビ小路=こみち}を走り抜け
香る匂いは青い秋風
★黒髪を
な ....
何か書きたくなって ペンを持つとね
どうしても紙を見つめられなくなるの
君を捜してしまう
....
君にも
僕にも
言い訳は
あるのだけれど
すれ違いの
心
取り戻せないね
初めての誕生日は豪華にした
ケーキにお寿司に好きなものたくさん
うれしくて うれしくて
主役よ ....
人は
たつた一つの
幻を見るために
生れてきたやうなものだ
幻はきまつて
この ....
風が吹いている
この胸をくすぐるように
どこか時の蒼い彼方から
やわらかなレースのカーテンを抜 ....
ゆっくりと ゆっくりと
時の川は流れてゆく
すべてを押し流し
....
丸い時計の秒針が
一つ一つ時を刻んでゆく
どの一秒も同じ時間
その一秒の中に
綺麗に染ま ....
雨が降つてゐる
黄色地にピンクの花を咲かせた
美しい傘の乙女が行く
雨は
乙女の傘 ....
遠く、波の音が消えたあとの闇にまぎれて
ただ疲れて坐る君はまだ 何処か子供で
覚えたての歌を ぎ ....
こたつでミカン
よりも
こたつでアイス
夏の夜
よりも
冬の朝
素敵な 素敵 ....
ふと目にとまる
コンビニ
「おでん始めました」
「肉まん始めました」
夕焼け空に浮かぶ
....
水面は、奪われた。
溺れることはない。
浮かび上がる魚の眼が空を泳ぐ。
それは白く、美しい ....
この窓を開けると
いつでも夕暮れを見ることができます
橙色の空と感傷的な思い出たち
それらのも ....
亀、知りませんか?
背中に「さ、の」って書いてあります
それは、自分自身です
こんくらいのやつ ....
秋が深まれば
孤独の色も深くなる
憎しみに火をつけても
重たい胸のつかえを
溶かしたくなる
....
まいあさ
いちばんさいしょにたしかめる
まどべにころがった
こいしたち
ざらざらで
し ....
三ヶ月で始まりから辞めていく
そんな僕らはどこかが壊れているらしくて
東京の角という角を、折り合 ....
その指先から
放たれた熱に
目眩して
浮遊する
私もまた
ひとつの
季節なのだと
....
29rows, 1.05sec.