わたしはどこにも行きたくない
許してください
わたしはどこにも行きたくないのです
晴れた朝 ....
交差点の時計の下で
待ち合わせ
あいにくの雨降りに
バロメーターは下がり気味
早く着 ....
赤い靴、狂った窟
排水管の鋭な光に射抜かれた歓影
AからZ
誰の手も届かぬ所に
静柩な血の騒 ....
臆病みを申し上げます
遠く闇が講じる膚滓
歩み聴かす、気化す藍
ソウダ、泡立つか別つか
ほら ....
ぴしゃん、と
はねた
さかなのおを
おって
ぼくは
もぐる
ぼくのなかの
....
薄暗がりの中
ふたつの黒は距離を置き
追いかけても追いかけても
その差が縮まらなくて
ふと歩 ....
陽が当たらないこの部屋には夜が堆積したまま、おはよう。
けして眩しくはないけれど、それは挨拶だ。
....
駅のホームで国歌を斉唱します、国歌を斉唱したいのです
どこの国歌でも構いません、僕は斉唱し ....
日曜日
春が冷たい手で触れるから
さわられたぼくは立ち竦む
でも 散ってゆくものを
追い ....
せんえんで
ひゃくえんのものを
さんこかいました
おつりは
いくらでしょう
あほう
....
寝坊した夏が廊下を歩いてく 桃のジュースの腹をかかえつ
空いろのシーラカンスがゲップをすればこ ....
倶利伽羅を越へていづこへいつかへる回転数学流転の鴨よ
芸はこれつたなけれども人のみみ転ばしめむ ....
うるせえなそれでも僕のたましいはゴムタイヤに詰めた散らし寿司なのだ
もてたくてもてるふりしても ....
熱くも無く 涼しくも無く
肌に濡れる風は心地よく また煩わしくもあり
音は無く
揺 ....
暗い部屋が変えるものがあるとすればそれは爪を剥いだ指でなぞる土に残す跡を文字に託し力尽きるように無意 ....
茶色のくまはぴんくになりたかったのです
すぐに見つけてもらえるぴんくに
たくさんの茶 ....
きみは
ぼくの将来を考えて
サヨナラ
と言ったみたいだけど
そんなのは
まったくもっ ....
今日の夕方
西の空に彗星が見えるんだってさ
ほんとだよ
ニュースの人が言ってた
ぼくのリ ....
(N)
彼は夢を見ている それとも
あなたが夢を見ている
紳士の正装でパパは赤い ....
葉桜から降ってくる毛虫の事を思うと
五月の桜の木の下
自転車をこぐのは憂鬱
未だ残っている ....
そっと人の輪から逃げ
窓から顔を出しました
ああ今日も晴天だ
さらさらと 風が私の ....
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