ぼくのわたしの美味しいカレー[95]
2008 05/14 22:54
「ま」の字

1 野菜によるスープストックをつくる(1リットル分の量を掲載)
  玉ねぎ1、ニンジン2、セロリ1本、パセリ1束、月桂樹1枚、
  好みに応じて〜唐辛子(1本で結構辛い)、黒胡椒・白胡椒(数粒)

  1.6リットルほどの水を入れて煮る。一度沸騰させたあとは弱火でも
  との量(この場合は1リットル)になるまで煮詰める。煮詰まったら野
  菜は引き上げる。6時間ほどかかるか。燃料がもったいないし匂いも出
  るので、真空調理なべなどを使うほうがいいかもしれない。
 
  注意:まず1リットルの水を入れて材料を入れ、水位がなべのどのあた
     りになっているかを確認すること。1.6リットル全量を先に入
     れると、どこまで煮詰めたらいいのかわからなくなる。
  ※煮出した野菜ガラを捨てるに忍びない人は、玉ねぎ・ニンジンなどは
   漉してカレーのとろみ付けに利用。ちょっと舌触りがざらつくが、野
   菜の甘味がつく

2 肉
  豚ばら肉の塊を大ぶりに切り、カレー粉とまぶし、その上からヨーグル
  トをかけてさらに混ぜ、冷蔵庫に入れて一晩漬け込む

  注意:カレー粉は素手で扱うとやっかいな代物である。肉にまぶすとき
     はスーパーのレジで貰うポリ袋などを手袋代わりにしよう。ヨー
     グルトを混ぜるときも同様。

  ※好みでカレー粉のほかに、ニンニクやショウガのおろしたものを混ぜ
   てもよい。またワレこそはと言う方は、カレー粉を自分で調合するの
   もよい。

3 ルウを作る
 A フライパンにバターを海のように溶かし、ダマにならぬよう小麦粉を
  徐々に入れてゆく。木のしゃもじでかき回すこと。滑らかになったらカ
  レー粉を必要量の2/3ほど入れ、香ばしさを出すため20〜30分か
  き回す(料理本には“炒める”などと表記されることもある作業だが、
  現実には“焦げ付かないよう混ぜる”である)。火は弱火で。バター・
  小麦粉・カレー粉の量はカレー粉の缶に印刷してあるヤツそのままでよ
  し(そろそろメンドーになってきたか、俺)。仕上げに、残りのカレー
  粉1/3を入れて混ぜる。
 B Aが出来上がったら休む間もなく、スープストックで引き伸ばす。フ
  ライパン一杯くらいに引き伸ばし、温度も安定してきたら、残りのスー
  プの入っているなべにあける。

 注意:この工程により顔面・頭髪はもちろん体全体、それどころか家中が
    カレーくさくなる。数時間換気扇を回せば済むなどと甘く考えない
    こと。単にカレーくさくなるだけでなく、油分も飛ぶので油とカレ
    ーの両方が体に付着する。また、30分立ち詰めでいるのは結構足
    がだるくなる。
     スープでルウを引き伸ばすときはお玉に1杯(約100ccか)
    分ずつ静かに入れてゆくこと。ルウは高温なので大きな音がして飛
    び散る恐れがある。衝撃を和らげるために、スープの温度を上げて
    おくのも手である。

4 煮込み〜カレールーを一度沸騰近くまでしてから弱火にして、以下
 A 漬け込んでおいた肉を出して、フライパンで表面に焦げ目をつけてか
  ら、カレールーに入れる。いうまでもなくこれも煙とカレーと油にま
  みれた作業となる。
 B そのあと野菜を入れる。形の崩れにくいものを先にする。野菜の種類
  と量はお好みで。
 C 味付けとして塩を入れる。分量は結構ちゃんと入れねばならないが、
  これもカレー粉の缶を参照のこと。また、ニンニク・ショウガのみじん
  切りを入れることを忘れないこと(1リットルのカレーだと、ニンニク
  2かけ・ショウガ1かけくらいか)
 
  注意:個人的には塩だけの味付けで十分おいしいが、個人差があるので
     調味料は色々だろう。ただし砂糖を入れるときは慎重に。砂糖だ
     けはあとで取り返しがつかない。また、料理本によっては酢を入
     れると書いてあるものもあるが、私は怖くてやったことがない。

5 仕上げ
  煮込み時間は5時間程度。固まり肉がとろりと仕上がる。6時間煮たこ
  ともあったが、ちょっとぱさついた感じになった。
 A 火を止める30分前くらいに、お好みで酒・ココナツミルクなどを入
  れる。個人的にはワインは生臭くてペケ。日本酒がよかった。また長時
  間煮込むと香りが飛んでしまうので、ここでスパイスを足すといいとい
  う人もいる。
 B こうして出来上がったカレーを一晩置く。のはムリでも、一度温度を
  下げた状態にしてから再加熱する。これで味が馴染む。

 C 酢豚にパイナップルがあるのを好ましく思う人なら、食する前にシ
  ロップ漬けのパイナップルをざく切りにして入れるといいだろう(ただ
  しダシガラとなったパイナップル食べても意味がないので、あまり煮込
  まないこと。)。
 D ライスはやはりタイ米などのインディカ種がおいしかった(もちろん
  普通の日本米でもよいのだが)。洗ってからひたひたの水で煮るだけ。
  水気がなくなったら出来上がり。上記のパイナップル的な味覚が好きな
  人は、ご飯にレーズンを混ぜる、などという手もある。

 独身時代にこんな風にカレーを作っていた。料理本を見ての知識だから、案外無意味な工程もあるかもしれない。ただ、出来上がったものはうまかった。キモとしては、「スープストックをもちいること」「肉に味付けすること」だとおもう。だから市販の鶏がらスープに市販の固形ルーでも結構いける味になるはず(市販のスープ・固形ルーともに塩分が入っているので、そこは配慮すること。私はスープストックは自前で作ってルーは市販のものを使うことが多かった)

 最後に。

 このレシピによるカレーはもう20年ほど作っていない。理由は家中(体中)カレーくさくなるからである。なにせ20年前の記憶だから、多少怪しいところもあるかもしれないので、お試しある方はご注意を。
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