2012 05/15 13:51
伊藤透雪
こんにちは。お久しぶりです。
私はいい読者ではないのですが、やはり「音」「リズム感」があるものは、入り込みやすく
文字で読んでも朗読しても世界に入りやすいと思っています。
この間、谷川俊太郎さんが出演されたコンサートで売られていた本「私の胸は小さすぎる」
恋愛に関する詩集と思えば分かりやすいです。
恋愛詩はありふれていると思われがちなのですが、歳を経ていくとどんどん磨かれていくものを感じます。
言葉が研がれて美しく無駄なく、冗長でない。
私心だけでない客観性というか、そういうこともあるなあ、と思いつつ表現の言葉が
うまい。さすが大先輩と思いました。
心を書こうとするとき、恋愛は人間を描くことになりますので、平凡には書けない難しさが実はあります。
そして読者におもねることなく、世界を描くと、「共感した」という人は少なくないものです。
ジャック・プレヴェールの「Paroles(高畑勲氏訳が秀逸)」に収録されている短い恋愛詩、それもそうです。
自分の事をつらつらと書くのとはまた違っていて、誰にでもあてはめることが可能
であり、または想像すること、思い描くことができる。
もし空想が好きならば、必ずなにかしらの心の変化が起こるでしょうね。
現代詩、という括りに当てはまるのかはわかりませんが。
そうそう、谷川さんと共演の桑原滝弥さんとのトークで、韻というかリズムは大事だね、
というお話に頷いていました。読み手を引きつける力になるようです。
また、私が詩人ではなく編集をしていた人から教わったのは、ら行の言葉が散りばめて
あると、光って美しい、との話でした。