生贄合評スレ[42]
2004 11/10 01:53
クリ

真っ先に連想したのは、たくさんのRPGやファンタジーでの象徴の「塔」
ブルース・リーの『死亡遊技』もそうですね。それからもちろん『指輪物語/ロード・オブ・ザ・リング』も。
それからマイナーなところで言えば福永武彦という作家の『塔』、続けてカフカの『城』(青色銀河団さんと同じです)
モノクロームに近い色調の、夜の映像。異形が跋扈する世界。

でも今回は、文法的な面で書こうかと思います。
僕も佐々さんと同様、改行の仕方がまず目にとまりましたが、印象は正反対です。
なんかぎこちないんです。この手法は使い尽くされているんですが、
「塔」については必然性を感じないんですよ。イメージの想起を途絶されるというか…。
佐々さんのいう「立ち止まり」が僕の場合は負に働いてしまうんですね。
もっとも「コケた」のが最後、
>塔はおのずと沈む
>ごとくゆらいでその響きもかすか
で、「沈む」と言っておいて、続けて「ごとく」
「沈まないのかよ!」とガクッと来ました。これは僕がイメージに重点を置いて読み解いていったからでしょうか??

それからこれまた年寄りの感想かもしれませんが、言葉の曖昧さが鼻につく。第三連の
>て低くいぶきおまえがうなる
ここ、字面的に読みにくいのは置いといて、「いぶき」を動詞として使っていますよね。「息吹」に動詞はないんですよね普通。
だから僕だけかも知れませんがとっても分かりにくかった。
それから「アルミ」。これは僕にとっては「アルミホイル」だと即座に「ウムウム」と言えるんですが…。
(微弱な電流とあの独特のギシギシ感=得も言われぬ不快感) こだわりすぎ?
さらに
>それは青の明かし空に切りたつ月へと電気を通し
ここは文法に則ると「それは青の明き空に」だと思います。日常だと「明き青の空に」でしょうか。日常じゃないからいいんですが。
さらに「青の明かし」が空にかかっているのか月にかかっているのか曖昧です。まあ日常的には空でしょうが。
致命傷は「それ」が何なのか理解が及ばないところでしょうか。

「頂頭」って言葉、あるんですか??? すいません、知りません。「頭頂」なら変換しますが…。
そして、「ゆび」と「指」の使い分けは僕のような年寄りにはひどく感嘆符なのです。
使い分けはもちろんいいですが、僕なら逆にしたかも知れない、などと。

いちばん立ち止まってしまったのが
>の傷にたえ
の行です。「たえ」が定まらないんです。
「堪え」「耐え」「絶え」のどれなのか分からないのです。逆に言うと、3つの想像を展開させうる、とも言えますが。

あと、「それきり響きは失せ」たのに、「その響きもかすか/に遠のく」とはどういうことか。異なる響きについて語られているのかな???

とてもとても疑問符ばかりわき出て、吟味できない作品でした。
とてもとても、他の方の意見が聞きたいです。なんか僕だけが、誰もが知っていて当然のことを知らないのかな、と不安です。
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