生贄合評スレ[40]
2004 11/10 01:52
(1+1)/4

すごい。なんか私はこんなに書けない。と、おもったです。で、と、思ったことをまとめてみました。
かっこいい夜明け前の風だ、きぃんとした空だ、緊張の青だ。狼のようだ。そんな第一印象。
もうすこしよんで、詩を読んでるとき気になった単語がぽーんとでてくるのですが、今回のわたしは「跨る」と「おまえ」でした。
わたしの想像する「おれ」は革ジャンとか着た男で、「おまえ」は 二重のイメージで、狼のようなワイルドな生きものと おんな です(どんな女かはともかく、おんな です)。「塔」はたぶん、「おれ」とはライバルのようなもので、なにか象徴ですが、きっと「おまえ」の方がつよい。おまえ は 跨ろうと思えば 塔 にも 跨る ことができるんじゃないだろうか。この詩の世界の きいんとした青は「空」が 背景の色としてあるいは「塔」に、「うなだれた影たち」に落としているんだと思います。
おまえ の存在から「おれ」が一心に感じ取る無意識は この流れの一切を <動くな>と止めてくるし、つづく助詞をすらっと言わせない圧力を「おれ」にかけている。「塔」が発するのと同じような アルミを噛む響き は、ゆびにレンズを嵌められるとほとんど失せてしまう。百聞は一見にしかず、といわんばかりに嵌められ跨られておれの視界からもうもうと塔はゆらいでしまう。ものすごいかっこいい第一印象だったけど、わたしが思う「おれ」をこんな風に追うと、すこしへねへねな印象を受けました。視点の立脚者たる おれ にしてみると おまえ のことは お前 などとカッちり呼べないし、己のこの世界を 俺 といえるほど距離をおける模様ではないのだろうと思いました。
よくわかんなかったのが「空」でしたが、その冷えやかな未明の内にひとすじの月、傷をかかえていて、おれ と おまえ の金のレンズは嵌まってそこにあるけども、月であろうそれは傷でまだ光ってる。おそらく「空」はこの「傷」を見ろとは言ってないのだけど、「空」は「おれ」と「おまえ」と、それから「塔」とも関係ない処の一切の背景なのだろうと思って、それでなんだか涼しくてわたしの中に未明の風がきいんと吹きぬけていくんだ、と思いました。
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