生贄合評スレ[39]
2004 11/10 00:21
青色銀河団

この詩を読んだ印象から。
塔から連想したのは「最高の塔の歌」とか「バベルの塔」とか、ちょっと違うけど「城」とかでしたので、人間が夢想する理想郷のことかなと読みました。そしてそこは「うなだれた影たちが行く」ように誰もが盲目的に信じて目指している地点です。
だけども「おまえ」がいるから、「おれ」は立ち止まる。
この「おまえ」は(「低くいぶき」「うな」り「噛」み「蹲る」猛獣のイメージなのですが)「アルミを噛む」(口の中でアルミホイルを噛むあの嫌悪感)、「まぶたのうちからひき剥が」す自虐的ともいえる苦行から「ふやけたおれ」に「金のレンズ」を与える。
そしてそのレンズを通して見えるのは「塔」が「おのずと沈むごとく」遠のいて、目指すべき目標もない「ひとすじの傷にたえ」る空が広がる荒涼たる世界。
「おまえ」は「おれ」の分身なのでしょうか。自ら血を流してでも決して真実に目をつぶらない、そういうストイックな生き様を感じました。
スレッドへ