生贄合評スレ[14]
2004 11/02 22:30
斗宿

>>12
では、もっと直感的に。

この作品が「けだもの」という非具象存在の特徴列挙ではなく
存在そのものを消化し、表そうと試みているなら
その視点は無用に多層化されすぎていると感じる。
けだものの視線、至極人間的な視線と、突き放したある種神的な視線の同居。

複数個定義された視線が平行に存在している瞬間もあれば、
直列に存在している瞬間もあり、それらは一意に定まることがない。
けだもの、人間、神はそれぞれまったく異なる階層(ステージ)に
存在しているものゆえに、それらが混在した世界を包括しようとするなら
曼荼羅における大日如来の位置に立つしかないのであろうが
それは書き手にとっても読み手にとっても非常に困難であり
達成されているとは言いがたいであろう。

そして、意図してなのか、そうでないのか私には判別しかねるが、
作者の目は観察者のそれであるように見受けられる。
けだものに肉薄していくことがない。
故に、痛みや孤独といったけだものの体温が言葉としては伝わってくるが
感覚的なところで共振を得ることができないように感じる。

文体や表現技巧は高いレベルに仕上がっていると思うのだが、
無駄なものを排除しようとしすぎて削るべきではない部分までそぎ落とされ、
色艶が褪せてしまった感が否めない。

と、かなりな大口を叩いてみました。
言いたい放題ですね、申し訳ない。
的外れだと思われた方は、思い切り酷評し返してくださると嬉しいです。
どうぞ生贄にしてください。
と、わざわざいうのも変かもしれませんが……。

#酷評をした人が無意味に非難されるような場になって、このスレッドが立ち消えるようなことにならないことを私は祈っています。>田代さん
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