ニューススレ[150]
06/19 13:29
佐々宝砂

>※さん
>当時の江戸が日本の中心地だったとして、地球を世界とすれば、その頃の首都は対外的に見れば京都となっていたのでは?と思うのですよ。大政奉還が起きて国政が天皇に戻り天皇を最高権威とした明治の世が訪れ皇室が江戸に移った。これにより、江戸は日本の首都であると明確化されたんじゃないでしょうか。

世界から日本という国を見たとき、世界の側が日本の首都と見なすのは、日本の実質的最高権力者が住まう場所です。日本の象徴が住む場所ではありません。鎌倉に幕府があったころ、海外からみて首都は鎌倉です。そののち戦国の世、織田信長は日本のエンペラーだったくらいですから、彼の住む場所が首都と見なされていたでしょう。そのあとはもちろん豊臣秀吉ですから、桃山です。そのあとほんとーにわずかな期間ですが、首都がわが静岡県の駿府であった時期があります。当時の海外の書物に日本の国王イエヤスはスンプに住んでいて、首都はスンプだと書いてあるんだから、ウソじゃないですよ。他の県民は教わらないかもしれないけど私、静岡県民なのでそんなことを知っていたりするのです(笑)。首都は時の施政者が住む場所。日本という国も、世界の各国も、その法則を乱してはいません。皇室が政治の中心として機能していたのは明治こっち戦争で負けるまでの話ですから、皇室が日本の象徴であり政治の中心ではない今、日本の首都東京に皇室を置いておく必然性はないと思います。まあ個人的には、東京にあってほしいです。なぜって? 都会にあれほどの広大な自然な緑地を残せるのは、おそらく皇族と米軍しかいないだろうと思うからです。今わざわざ京都に移す必然性もないと思います。

>あと、簡単な居直りについて。私には、佐々さんの考える幸福というのが私的な幸福にしか見えません。そこに公的な在り方を考え模索するのだからこそ、その不文律に苦しむのではないでしょうか。そして、それらを乗り越えて脈々と受け継がれてきたものがある。そういった伝統を絶やしたくないというのは、当然の思いなのではないでしょうか。当事者とは皇太子様御夫妻です。御夫妻のみの幸福だけを考えるわけにはいかないからこそ、あそこまで苦しんでいるのではないでしょうか。

普通のヒトも、公的なことと私的なことのはざまで悩みます。まあ、当たり前です。それはさておき、日本の場合(というか儒教の影響の強い国において)、上に立つ人間は徳がないとアカンという考えがあります。天皇家というのは一応、上に立つ人たちだということになっております。他の国だと徳を持たない「上」のヒトは、首をすげ替えられておしまいですが、日本の場合、天皇家の人々は徳を持つように教育されるので、首をすげかえられることは滅多にありません(このあたり、一部、橋本治『上司は思いつきでものを言う』からの受け売りです)。皇太子が何を言われても怒る人ではなかったという話は、彼が間違いなく何らかの「徳」を持っていたという証拠のひとつでしょうが、問題は、今、日本社会における「徳」というものが変化しつつあることではないかと思うのです。会社よりも個人を優先するのが普通です。国家よりも個人の幸福を優先するのが民主国家です。規範的家庭であることを要求される天皇一家が、病んだ嫁さんのひとりの人間としての幸福を追求することは、今や日本の一般社会においては「徳」とされてもおかしくないことのように思われます。

あと、付け足しで「君が代」の話。「君が代」とゆーのは、本来はただ単にめでたい歌で、ひとんちの玄関の前で正月なんかに歌う歌だった、結婚式でも歌う歌だったという話をきいたことがあります。「あの歌ならみんなしってるからあれにしよー」というわけで「君が代」にしたとか。もともと単におめでたく「あんたのうちは未来永劫続くのよ」という意味のおだやかな歌だったものです。メロディも歌詞もめでたいおだやかな歌ですから、まあサッカー選手の志気はあがらんのではないかと思いますが、音楽としてみればさほど悪いもんでもないでしょう。「君」が誰であるかによってえらく意味合いが違うだけの話です。「君」が国民全部と思えば、あなおめでたやです。ちなみに梁塵秘抄にも類歌があります、「君が代は千代にひとたび降る塵の白雲かかる山となるまで」なんていうやつです。それが国歌になってもおかしくなかったんじゃないかな。そうそうそれから、※さんが紹介なさったページはあまりに偏ったもののように思われます。私の意見に近いのは、ウィキペディアではない方のリンク。ウィキペディアの方は、現在さまざまな意見があるという証拠のひとつとして(つまりたった一種類の意見をもって証拠とするという愚を犯さないために)、リンクしました。

「君が代」について(ウィキペディア)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%90%9B%E3%81%8C%E4%BB%A3

「君が代」について(君が代が一つじゃなかったという話)
http://web.kyoto-inet.or.jp/people/tpnoma/kimi/kimigayo1.html
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