シェリル
白雨パル



シェリル
まぶしいな、区切られない場所は


名前を持つのかどうかも知らないような虫が
指先をつたってきて
それはぼくになにも響かなかったから
そっとしておいた



シェリル
お花畑を走りまわるきみは
つまりお花や虫たちを
笑いながら踏み潰してるわけだから
そんなきみを素敵だなんて思ってしまうとは
ぼくはとてもいけないのかもしれない

でも
すてきっていう語感はなんてすてきなんだろう
この理由なんていらない感じだ


重厚な雲はきらいだな
いかにもという感じがすてきじゃないんだ

虫がぼくの肘のあたりから
飛びたってゆく
シェリルに気をつけろよ
潰されるぜ


シェリル

太陽はゆっくりと
ぼくたちを引きはがしながら
いのちを伝えている

 




自由詩 シェリル Copyright 白雨パル 2006-12-14 21:05:04
notebook Home 戻る  過去 未来