化身の化身  〜創書日和「紙」
白雨パル

 
 
プリンタから大仰なオノマトペとともに
吐きだされた紙は
わたしのこころの化身の化身


余白がもう白すぎて
わたしは震えてしまう 指先 くちびる


間のぬけた音がきかいてきで
出来上がったなまあたたかいそれは
とても陳腐でちんぷんかんぷんで
わたしは鵜呑みにしてしまう


「それは詩ではなーいと言うのなら
 わたくしはそれでも
 いっこうに構いませーんことよー」
などと言いながら
ぴらぴら遊んでいたから、そいつは怒ったのだろうか
わたしの人差し指をすうと切った


流れでる赤いわたしと痛みは
わたしのこころの化身の化身を汚しながら
すこしずつそれを詩へと近付けていった


ような気がした

痛い

 



自由詩 化身の化身  〜創書日和「紙」 Copyright 白雨パル 2006-12-16 15:32:11
notebook Home 戻る  過去 未来
この文書は以下の文書グループに登録されています。
創書日和、過去。