舞台炎上
白雨パル

あの曲がり角を右折すると
あなたのステージは燃えてしまってるわ



火の粉が
ひとつ、またひとつと
逃げてゆく

今度は一度にいくつも

あなたは
愛しい場所と野次馬たちとを
左半分で感じながら、もう一度
右折をする


「まだまだ先はながいんだよ
 終わりなんかはないんだよ」
嫉妬
しているのかな
きっと
しているのね


もう三回、右折しても
あなたのステージは戻ってこないの


「月や星たちが
 好奇の瞳を輝かせているよ
 痛いよ」
詩人のつもりかしら
脇腹が痛いわ



わたしのステージは繁盛してる

植物性のやすらぎを いびつな笑顔を
かなぐり捨てたくなったら
わたしにおいで
いつでも毒を首からさげて、きれいなからだで
あなたを待ってる


灰の上で踊るのも
悪くはないと思うのだけど

でも
足の裏が黒くなるものね



はい、踊るときは裸足です
これは法律で決まっていることなのです

 





自由詩 舞台炎上 Copyright 白雨パル 2006-12-13 08:43:09
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