詩人の休日
佐々宝砂

寒くはないのに足先が冷たい
詩人の休日について思い馳せているせいだ
トランペット吹きの休日なら
明るく自由な旋律だけど
詩人の休日はなぜか
未熟なくせに古くさい響きがして
私の足先をとても冷たくしてしまう
足先をもっと熱くしよう
熱くして
アーレスに対抗しよう
闘おうとするものに
熱いふりして正義を主張するものに
未熟なくせに古くさいものに
対抗しよう
水をなくしたものに
潤わずに凍りついたものに
可能性を持ちながら喪ったものに
もはや燃えることのない惑星に
対抗しよう
明るむ春空に蠍座の一等星は暗い
しかしあれは確かにいまも燃えている
あれは火星なんかよりずっと熱い
あの熱に耐えよう
トランペット吹きに休日はあれ
詩人に休日なんかないのだ


自由詩 詩人の休日 Copyright 佐々宝砂 2004-03-21 04:16:57
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