海の藻屑
atsuchan69

破れ、はためく帆と罪の波間にとぶ 潮しぶき
低い空の大理石にも似た模様が 狂い、ちぎれ
セイレーンの叫びに群がるのは、
姿なき乳濁色の「ざわめき。

水の泡立ちに「美しく覗く 翠の岩礁
神秘の底知れぬ深い翳り、
無垢と悪意のなだらかな起伏に
やがて大波をあつめ 遥かに聳え立つ「恐れ

風もなく穏やかな海が寝返り、
微かな希望を「ふたたび大波が呑み
今しも滑り崩れる、流離いの果て

濯がれた愛に 消える声」

花「黒い幻聴とともに、咲く
秋晴れのおまえが辿りつくべき港に
壊れた日の欠片とともに届く知らせは、
喘ぐ息すら止まる 「呪われた恋。


自由詩 海の藻屑 Copyright atsuchan69 2006-10-11 13:18:13
notebook Home 戻る  過去 未来