BR69-01A-ナオミ
atsuchan69

どうしても人工のものとは思えない
人のこころに射るような煌きが瞳の内にある

縮れのない/長い黒髪が艶々と生きていた
失うべき幼さを残した神々しいほどの美形の顔立ちに
赤い毒色のルージュと 濃い化粧を施し
少女は原始の匂いを漂わせ/淫らな笑みをうかべ
「ゼンブOK と云う//

僕は/かっとして彼女を押しのけた
「これは生命への冒涜だ!

すると立体映像のT博士が浮かび、
彼は/ふかく溜息をついて苦笑し――
「バイオロイドは/あくまでも工業製品なのです
時代劇じみた倫理面での批判には返答しかねます
と云う//

「では質問させてほしい――
彼女は機械なのか?
「いかにも。純粋に生物学的な『機械』だと思います
「寿命は?
「およそ3年/もしくはユーザーの希望があれば )))
無制限に延長は可能ですが・・・・法令により、
最大値7年で全機能は停止/廃棄されます

「廃棄/ というと?
「焼却、あるいはパーツとしての保存/再生です

「恐ろしい・・・・とても人間業とは思えない
最後にひとつ/ 妊娠は可能か?
「いいえ。設計当初からその項目は除外されています

むろん僕は彼女の全てを知り、
そして翌朝――
彼女を廃棄するよう、さっそく手配の連絡を入れた。


自由詩 BR69-01A-ナオミ Copyright atsuchan69 2006-09-28 02:22:35
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