僕が奪った人形
atsuchan69

儚い季節/ つかの間の恋

血の滲んだ口元の傷に、
水色のハンカチをあてながら
秋の風/ さまよう校舎の屋上
「君とふたり〜蝶々になって

君が舐めてくれた/ その傷
愛の痛みを知らない行為さえ
有頂天に/舞い上がる/ 身も心も
燃え上がる雲たちの秋空//

「夢中でキスした 
 初めての/ メイク/ラブ
ぶんどった、君は/ 硝子の人形
 
君の瞳は、のどかな日を見ている
「勘違いした/ 恋・・・・
華奢なからだを揺すり、
「僕は独り占めに/ 君を独り占めに
激しく、いくども揺する )))

「青い制服の人形は/ 壊れ
裏庭に落ちた/アゲハ蝶の黒い翅
いつしか君が口にした、
「さよなら・・・・

放課後の校舎の影が
 動かない/蝶の死骸を包んで
永く/ 今日という日まで伸び
継接ぎの記憶の中で/ 再び甦る


自由詩 僕が奪った人形 Copyright atsuchan69 2006-09-18 21:55:25
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