悶え
atsuchan69
秋晴れの登山/某日
硬い鉱の岩場から足をふみ外すと、
真下には渓谷――
堕ちてゆくハーケンとカラビナ
魔を沈めた澄んだ水の深み
〜ダイブする
〜さらにダイブする
全身に覆いかぶされたような
冷たい水の圧力を感じながら
沈むとも/浮かぶとも/区別できない時間
//そっと瞼をひらくと
美しい色とりどりの時の精霊たちが/ゆらゆら
岩の割れ目に
か細い根をやっと生やして
悶えている//
いのちの震え )))
よくもわるくも存在する
天使だとか/悪魔だとか/
宇宙に繋がる時の流れに縛られることなく
自由にゆきかう煌きの世界
透明な水底に潜んだ無数の腕たちが
ながれる水に/ゆらゆら
「あれはいつだったか?
――登山服の男が もがいている
水を嫌というほど飲み、重くなった身体で
滝壷にむかってながれる激流に逆らっている
必死に、
秋晴れの空へ視線をあつめて/ 悶えている・・・・
自由詩
悶え
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atsuchan69
2006-09-14 13:39:18
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