梅干の詩
atsuchan69

山の斜面は蜜柑の木
  ミカン/みかんは紀州の木 
 それでも南部(みなべ)の梅の木は
  摘んだ青梅
      過ぎた空
  紫蘇に染まった梅の実の
   ひろげて干した縁側に
       通りすぎてく潮の風


山の斜面は蜜柑の木
  ミカン/みかんは紀州の木 
 それでも南部の梅の木は
  酸っぱい陽射し
      沁みこんだ
 紫蘇に染まった梅の実の
  まっかに赤い一つぶは
       コメの白さを飾る色


山の斜面は蜜柑の木
  ミカン/みかんは紀州の木 
 それでも南部の梅の木は
  辛い想い出
      幾たびも
 紫蘇に染まった梅の実の
  いつまた逢えるお母ちゃん
       秘めた一つぶ郷の秋


自由詩 梅干の詩 Copyright atsuchan69 2006-09-09 15:53:04
notebook Home 戻る  過去 未来