おつかれさま
大覚アキラ

ビルの20階から見渡す
大阪、18時25分

真っ黒な夜が街中を包み込んでいて
環状線を走る赤いテールランプの群れは
終わりのない葬列の円環

あの光のひとつひとつが
同じ数か
それ以上の数の命を乗せて運んでいるのだ

松明をかかげた行進のように
小さな赤い光は緩々と
黒い液体のような夜を流れていく

さて、

あなたにとって
今日は
いい一日でしたか


未詩・独白 おつかれさま Copyright 大覚アキラ 2006-09-07 18:34:40
notebook Home 戻る  過去 未来