ラーメンとお嬢さん
ひとみん

茹でる前の固い麺は頑なに自由を拒む私の心
熱い熱い沸騰している湯に放られてほぐされ潤う心
決められた時間で私は蘇る つやつやの黄色い肌をもつ
そして私は食べられる 悲壮な顔をしたお嬢さんに
お嬢さんのこころを 覗いてみた
だけど 曇ったメガネが邪魔をしてよく見えない
でもよくよく目を凝らしてみると 一粒の涙がこぼれていた
やがてお嬢さんはメガネをはずし 涙をぬぐっては流すの
それは私のスープの海に零れ落ちたエッセンス
涙でほんの少しだけしょっぱくなったことは
私とお嬢さんしか知らない秘密


自由詩 ラーメンとお嬢さん Copyright ひとみん 2006-09-07 04:51:42
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