黒ニャー子の葬送
クリ


ああ君は 僕がどうしようもなくて捨てた猫だねえ
ごめんね ごめんね
あの頃は あれしか思いつかなかった
君を捨ててから 僕は少し暗い男になったのかもしれん
逆に 軽口度合は増したかもしれん
悲しかったのさ


その後 何度か会ったよね 輪廻して
子猫になって唐突に僕の膝でゴロゴロ♪したり
猫っぽい新入社員になって僕の腕枕で眠ったり
ブロック塀の上でこけたりしてたね
君はずっと 可愛かった
僕はずっと 泣きたかった


そしてとうとう君は こうやって僕の腕の中で
冷たくなっていく
痛かったかい うんうん


僕の涙は もう流れないけれど とても 苦しい
君が死んだことよりもっと かつて君を捨てたことが


  もう しない
  ごめんなさい


ほら 君の定位置の草叢だよ 帰りなさいね
君は キレイだった
今度はポカポカの 縁側で
会えるかな〜



                         Kuri, Kipple : 2002.03.15 


自由詩 黒ニャー子の葬送 Copyright クリ 2004-02-12 20:19:54
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