雨のちそれ
かぜきり

それがいつもの常である
変わらぬ桜がそれにある
雨の飽和した合間にそれとある
傘を大きく膨らませてそれを聴き
まつろわぬのはいずれかとそれととい
ぬかるむ根元にてそれを待ち
濡れた手でそっと叩くそれとなる
未だ雨と包むそれに触れ
それを抱いて時を待つ
それを畳んでそっと置き
合間のそれによりかかり
それをふくんでそれととう
ときをまたずにそれと待つ
ちりゆくそれを雨と待つ


自由詩 雨のちそれ Copyright かぜきり 2006-04-11 13:49:07
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