白いぼくの部屋で
青色銀河団

白いぼくの部屋に恋する女の子がいます。
その女の子は白い奇妙な椅子を
ぼくの部屋にはこびこんで、
ちょこんとすわっています。
窓のそとには
純粋な蜜柑の集落が
どこまでも続いています。
青い雲の隙間から
神様の影さえ見え隠れします。
窓は、
生きている人間のはじまりなのだから、
春の訪れにより
きみも運河の色も変わってゆきます。

花びらがながす血とともに
心に刻まれる雨の底。
土手づたひの水の音について
蛇行する来世の予感に満ちたドアの前。
晴れときどき、
金色の、
きみは轍に向って燃える女の子。
すがたは見えませんが、
ともだちも髪もなまえのように泡になり、
風ももうすぐおわります。
きみのこと、
ぼくのこと、
苦しみが何かを変えてゆきました。

椅子に座ってみる夢では
囁く初恋さえ
さなぎのようです。


未詩・独白 白いぼくの部屋で Copyright 青色銀河団 2006-04-02 23:47:39
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