夢メール
湾鶴


一足・・・ひとあし
踏みしめるたびに伸びてゆく首
始めは窓枠の真ん中くらいに頭があって
窓はきっちりと閉められているのに
窓の鍵は開いている 
外は雨がいまにも降りそう・・・
まぶしい 曇っているのに まぶしい

頭がぐらつかないよう
しとしと歩くたびに
視線は上って
長い廊下も徐々に長くなっていくような
錯覚と眩暈 いや すべてが眩しすぎるのだ

首は伸びてゆく
後ろに下がっても伸びてゆく
また前に進んでも首は伸びてゆく

足がずっと遠くで動いている
ちゃんと歩いているつもりなのに
歩幅はやけに短く感じる
キリンは足なげーもんなぁ 妙に納得

ppp  pp ppp pp
(ゆぅ がっと めいる)

ジャケットから携帯電話を取り出すが 
せいいっぱい手を伸ばしても
目の高さまでケータイをもってこれそうにない
首が痛い 少しでも頭を動かすとつりそうだ
天井に後ろ頭を押し付けながら進む(この方法はなかなか楽だ)
外までもうすこし 
まぶしい 目をつむりながら なお進む
外はまだ晴れているのだろう
脱出できたら寝そべって
まっさきにメールを読まなくては


自由詩 夢メール Copyright 湾鶴 2006-02-19 23:15:23
notebook Home 戻る  過去 未来