終演
湾鶴
夕闇から吹いてくる
嘆きのざわめきが 靴の音で新鮮だ
ふざけたのりで地面を撫でまわす
こうやってできてゆく
グランドキャニオン
幾層にもなって
髪がうんと高く飛ばされ
蝉の匂いもうんと空へ
さわさわと夏の砂が飛びたって
寝息をたてていた青草も
内臓から吐息をはく
自由詩
終演
Copyright
湾鶴
2005-08-26 02:44:33