白磁の闇は形代を好む
かぜきり

互い違いの所謂握手
握り損ねてわきわきと
沈める電気を掠め喰らいて
からてを合わせてヒシと
閉じ込む

蒐集手挟みわらわらと
雷どもの閃きを
白磁の闇にて放り出す
容れ物は耐えてぐずるのみ
焦げる焦がれる憬れる
ヤケタ肉の匂いは
酷く優しく生なまし

必至必死と溜め込みて
続け止めたかみなりを
落とす場所さえ見つからず
求めめがけて放つもできず
ぴしゃんと閃きほどくは心
焦げるは容れ物
爆ぜるは中身
残る次第は
からのはこ

中味探して今宵も惑わず



自由詩 白磁の闇は形代を好む Copyright かぜきり 2006-02-13 21:05:47
notebook Home 戻る  過去 未来
この文書は以下の文書グループに登録されています。
定点観憶測「驕り」