喘息のひ かりに
吉岡孝次

1.
あのまま薬をもらわなかったとすれば
病に向き合うこともなく
ときどき不調、で括りあげてきたのかもしれない。日没と
払暁でめくる暦のスピードで

2.
父も、だと
母にとっての閨房は 昔日から立ち帰り

俺は寝酒を飲みながら相槌を
端折っている。
吸入をまた忘れてしまうかもしれないな、と案じている。


自由詩 喘息のひ かりに Copyright 吉岡孝次 2006-02-04 09:43:43
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