一月の夜
イオ

 

優しくはない
でも突き放すのでもなくほほを撫でる
一月の夜風は
軽い気持ちで靴音のメロディを運んで行く
もうすぐオリオン座回廊だよとささやいて

見上げる先で
いつもオリオンは歌っている
靴音にあわせて
ゆったりと
だからわたしはあんまり寂しくない
今だれもが眠っていて一人だとしても

最近は北斗七星が挨拶をしてくれる
寒くないかいって言うから
ええ大丈夫ですよって答える
星たちの方がひんやりとした光を放っているのに
やさしいなと思う
それにしても
近頃は夜の顔見知りがずいぶんと増えたな

そうやって一月の夜
風に木々は枝を揺らす
オリオンが笑う
靴音が響く








未詩・独白 一月の夜 Copyright イオ 2006-01-27 01:29:53
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