ストーヴリーヴズ
かぜきり

過去は更新され
現在は蓄積されてゆき
記憶に残るのは

ただあなただけの笑い声
ただわたしだけの溜息

薬缶はストープの上で
いつまでもかちかちとnaっている
ストーブの灯は足されなくなって久しく
長らく思い出していなかったことに触れて

そっとストーブに灯りを入れる

薬缶はなるのをやめて
うっすらと蒸気をあげはじめた
あたりにただようやわらな蒸気を吸い込んで
はなのあたりがクシャミをもとめてやまない

このクシャミで誰かが思い出してくれたら
それは少しおもしろい
そうぼやいて

乏しい暖気にみをひたし
まどの結露にうるおうのは
瞬く夜の色をした
口中の葉っぱ一枚


自由詩 ストーヴリーヴズ Copyright かぜきり 2006-01-24 20:06:41
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