冬のある場所のある人の独り言のメルヘン
こめ

暗い夜道をひとりぼっちで歩いていたよ

信号も黄色のまま点滅してて

だれもいない

なんだか世界で僕だけが

生きているみたいだな

ぼくはただこの世の

本当のすがたが見たくて

ずっと歩いてみた

いま何歩目かな?

もしかしたら最初の一歩かもしれないな

今何時かなって思って時計を見たら

壊れててちょうど0時で止まっている

縁起が悪いなとかいって

壊れた時計をハズし

月に向かって投げた

どこまで行ったかな?

ウサギに合ったかな?

そんなメルヘンなことを考えて

笑っていた

鼻の先に冷い物が当たった

雪が降り出した

その一つを手に取ってみた

雪は僕の体温を感じ取って

溶けてただの水になっちゃった

ぼくはそれを口にした

なんかとても甘い味がした

そしてまたぼくは誰もまだ

踏んでない雪のシルクロードを

歩みだした


自由詩 冬のある場所のある人の独り言のメルヘン Copyright こめ 2006-01-23 17:33:35
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