「奈落の底へとしずむ夜」
阿麻

狂い咲きの花が
手をすべり
奈落の底へとしずむ夜
逆さまにのぼる 落ちていく
奈落の底へとしずむ夜


奈落の底では また奈落
だから墜落が
絶えない
これからだって同じことだ
嫌気がさすくらい
魔の手を振り切り
拒んでも 
そうだ……そうだ
死ぬまで
伸びてくるん
でしょう


目も当てられない程の、
耳も覆いきれない程の、
あの叫び。
それは
悲鳴のようで 悲鳴じゃない
またひとり
奈落の底へとしずむ夜
なだめるものなど 望めない
ひたすら底へとしずむ夜



2001/06/22


自由詩 「奈落の底へとしずむ夜」 Copyright 阿麻 2006-01-21 02:38:35
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