ばいばいすにふ
馬野ミキ

すにふ、
もうきみの変わりにきみの荷物を取りに行くのはいやなんです
もうきみの変わりにきみの仕事をまっとうするのはいやなんです
ぼくを誉めなくていいのに
ぼくは証明してみせなくてもいいのに
あさでも
がっこうが終ってからでも石畳のみちをかけって井戸に水を飲みに行きたい
じゅぎょうが
始まるまえでも後ろでもランドセルをそのまま投げちゃって
親切な太ったおばさんが拾ってくれるように道の真ん中に投げちゃって
信号の青はきれいだから止まってみてしまう
信号の赤は燃えているからどこでも走ってしまう
通りのぜんぶの水溜りのうえでは跳ねてしまう
有刺鉄線がしてあるところはぜんぶ入ってしまう
雲が浮かんでいるところには飛んでいってしまう
みちがあるところでは靴を脱いでしまう
ぼくは自由です
もうきみの変わりにきみの荷物を取りに行くのはいやなんです
もうきみの変わりにきみの仕事をまっとうするのはいやなんです
ばいばい、すにふ。


自由詩 ばいばいすにふ Copyright 馬野ミキ 2006-01-18 06:37:38
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