こめ

こどもの時によく登った木

なにもかも失ってまた始まりの場所に

戻ってきてしまった

ここから全てが始まった

ある日いつもどうりに

この木のてっぺんに登り

いつもの夕陽を見て

へんな気持ちになりながら

希望を夢にいだき

必ず成功すると

確信を得て

ぼくはこの思い出の木を

あとにした

でもこの現実は

暗黒のに満ちていた

そしてぼくはことごとく破壊された

そして今ここにいる

もう自分にはこの木の

思い出しかなくなっていた

しかしこの思い出は

かけがえのない宝物だった

また意味も無く

涙が滝のように

出てきた

この木はもう

ぼくの心の柱になっていた


自由詩Copyright こめ 2006-01-17 19:54:35
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