列車
紫音

早朝七時のラッシュアワー

すれ違う人波に
肩が触れ
過ぎ去っていく足音

交差することない視線
差し込む陽光

音もなく時を刻むオブジェに
理由などなく急かされる


届かない気紛れ

無機質な人影


警笛を鳴らし
風とともに消えてゆく列車


駅に群がる衆を挟み
平行線をあべこべに走る列車


そこに乗せる人もいれば

乗れずに残される者もある


追いかけることができても
すれ違うことができても


列車は


一つの場所には居られない

連結することはない



その先に後姿を見ても

暗闇を照らしてみても



その孤独は永遠にも感じられる






今日も列車は疾走する


やがて乗せるはずの人を待ちながら


自由詩 列車 Copyright 紫音 2005-12-26 00:21:55
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