積雪、傘の上方にて
かぜきり

雪のしずむ日
頭上に積もる雪の重みを持ち手に感じ

傘をそっとゆすり
積雪をそろそろと振り払う

重みから放たれて
散華してゆく雪精が
ちらり、とときおりわたしをとおりゆく

そんなとき

傘を閉じたく思い
雪に触れたく願い

しろさとしろさをかさねあわせて
共にほどけてしまいたいと

柄を握り締める手のひらに燈りはじめた
仄かな灯りが


自由詩 積雪、傘の上方にて Copyright かぜきり 2005-12-18 21:03:51
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