雪触
かぜきり

てのひらにおちて

身体の熱さに驚き
 わが身の冷たさに慄き

てのひらにおちて

持たざる声を放ち
 届かぬ悲鳴と別ち

てのひらにおちて
 
  半ば沁に凍み入り
半ば海に還る

  ぐぎゅ

と握りそこねた手のひらに

  おち


うるり翻り

嗚呼
    解けてゆく なり


自由詩 雪触 Copyright かぜきり 2005-12-13 17:10:52
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