雨列行進
かぜきり

濡れて笑い 傘が泣いて
   雨は雨であることを けして・・・

  し・・・ん、と みみもとでささやかれて

  体温に和されて伝う雫の
    くすぐったさを

  気持ち悪いとおもう事の
    やぼったさを

     散り時螺鈿に絡めて身に纏い
 降りゆくのは雨ではないのだと
 
     し・・・ん、と 耳元で囁かれて

    雨は雨であることを
 けして
 
 やめは・・・


     傘が泣いて 濡れるを笑い
    触れる粒の意識の
   おののき

  に
 
 震える身体を許すこともなく
   
 ぬるり、と

   冷たかったはずであれ
  暖かかったはずであれ

   あめはあめであることを

 けしてやめはしない


自由詩 雨列行進 Copyright かぜきり 2005-11-26 16:00:36
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定点観憶測「驕り」