竦む。
田島オスカー


犬の尾の振れ幅が 小さく小さくなってゆく
そういう空気が あなたにはありました 
あの時

冷たいつもりの温もり、と 私は呼んでいて
そういう ささやかな反抗は
それでも水面下にいつも あった
だって繋ぐはずの手、あなたの手は、いつも私の頬を滑っていたもの

何も言えないのは あなたが優しいからだった、
ごめんね、私にはつかめなかったのです。
 
 


自由詩 竦む。 Copyright 田島オスカー 2005-11-13 04:03:00
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