こきゅう
石川和広

はてることのない
くらしやかなしみに
のまれながら
わたしとあなたは
いる

うつくしくなんかない
ぼくだけのひめごと
あなたのことば
かいだんをのぼるように
そのうえに
うっすらしたつきが
はえて
あいたい

あなたとわたしの
あいだにとうめいな
ぐたいてきな
やみがひろがっている
おもい
かたくよごれたゆき
みたい
しんでいくほしたち

どうして
じぞうにぶつかる
じぞうのかなしみ
くやしい
しずかだ
あなたは
そこにはいなくて
わたしはあふれだしたことばを
あたまからたれながして
あきのおとをきく
さいれんをきく
しなない
あなたのこえなくても

ただからだがだるい
あなたがいない
くもにいのる
あめにいのる
おおきくわらう
いきをはきだす
すう
はく
はきだす
こんくりーと
せきをする
えんやこらせ

あーけーどのなかからかえって
せなかまるめたまま
めーるをまつ

まつ
いきをはきだす
はく
はきだす
それだけわたし
できるから

あなた
ふぁいと
きてね
いつでも
きてね


自由詩 こきゅう Copyright 石川和広 2005-10-28 21:21:37
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