そんな日
石川和広

空は赤い

歩いていても
泣いてなんかいない
恥ずかしいからではない
憂鬱だからでもない
たぶん幸せ者で
その幸せを一歩一歩
ふみにじっていっている

そうして家に帰り
笑いながら宙に舞う
意識が
それでも
食べて
話す
あまり風呂は好きでなくなってしまった

そうして
夜寝ていると
夢は全部忘れていく
あとは
あの人の顔だけ残る
顔は話す


本当にごめんなさい
私ではないのでしょう
縁がないと思っております
いいえ
あなたそのままでいいの
どうにかしなさいよ
ねえ

沈黙

全部あなたの妄想にちがいないです
あなたは暖かい膜がなくなると
そうしてわたしをたよるのです
本当に私のことが好きでも
それは間違いです
あなたはあなたをつかまえてはいません


そうして夜がきれいになっていく
少し頭がかゆい
眠っていても考え事してるようだ

そうして朝が来る
けだるい朝が来る
もう何日もそんな日だ


自由詩 そんな日 Copyright 石川和広 2005-10-16 22:15:18
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