御伽噺
しらいし いちみ 

音も無く 少し時雨れた 夕間暮れ


秋桜 ゆらり

 かしいで ゆらり

   涙の雫を 集めます



波間の 初音に 合わせ逢い

天女の羽衣 筋雲と

見まごうばかりに 棚引いて

あふるるほどに 零れます



行く末 彼方へ 流されて 

夢の揺り篭 辿る道




コロコロ流れて シーグラス

まぁるく まぁるく なる度に

瞳伏せつつ 頷いて

「月へ行くの」と  嫁入り支度




シーグラス/砂浜に流れ着いたり海を
      旅して行く硝子の欠片


 


 




自由詩 御伽噺 Copyright しらいし いちみ  2005-10-03 22:39:48
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