わたしが詩を書かなくなったとき
umineko

わたしが詩を書かなくなったとき
どんな空が
わたしを迎えてくれるだろう

わたしが詩を書かなくなったとき
すべてのことばは
わたしを許してくれるだろうか

わたしが
終わるより先に
きっとわたしの詩は終わる

そんなとき
わたしはそっとつぶやくだろう

結局
何も変わらなかった、



中学生の頃
水泳大会に出たことがある
その頃
授業はひたすらスパルタで

全学年集めて
とにかくみんな 泳ぐ 泳ぐ 泳ぎ切る
わたしは当時泳げなかった
だから
歩いたよ

25メートルのプールを
とぼとぼ
つまさきで

別に悲しくもなかった 現実だからだ
当時短距離の選手 だったけど
とにかく泳げなかったのだ
空は
遠い顔 してた

結局
何も変わらなかった

たぶん
それとどこか似てい て


わたしが詩を書かなくなったとき
わたしの中の何かが終わる

それがとてもこわいし
それがとてもいとおしい

わたしは
あらゆる出来事を

詩人のように忘れていく
 
 
 


自由詩 わたしが詩を書かなくなったとき Copyright umineko 2005-09-29 21:58:22
notebook Home 戻る  過去 未来