SAGA
恋月 ぴの

男と女の間には
深くて暗い河があるらしいから
君の悲しい心の内を
僕は分かった振りして黙って頷く


男の情けは出したら終わりで
女は心に宿した思い出を
どこまでも抱きかかえ生きてゆく


生きる事はあまりにも切ない
男は体を削り
女は心を削りながら
命の蝋燭燃え尽きるまで
悲しみに耐えて生きてゆく


君の心に宿した思い出と
僕の吐き出した情けは
暗くて深い河の流れに阻まれて
おたがいの存在すら確かめ合う事無く


凍える涙に霞む晩秋の星空に
ポツンと灯火瞬いた


自由詩 SAGA Copyright 恋月 ぴの 2005-09-23 06:21:54
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