僕に風がふくということ
たりぽん(大理 奔)

緑の木々がゆらめいたり
遠くのコオロギが聞こえるということ

低い雲が重々しく北へ向かったり
小窓でレースのカーテンがはためくということ

白い水鳥のひと群れが南へ進路を取り
黄色い砂粒が大地を飲み込もうとするということ

ゆうげの香りが初音通りに満ちて
いくつかの梨が引力を証明するということ


故郷の桟橋で波が砕けて
( 星は風に流れないということ )

僕が口笛を、吹く 

ということ


自由詩   僕に風がふくということ Copyright たりぽん(大理 奔) 2005-09-08 22:25:30
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