幽雨
大覚アキラ

雨の日は誰もがまるで
幽霊のようですね
ほら
青いビニール傘透かして
見上げてごらんなさい
雨粒と同じ数だけ
冷たいタマシイが
落ちてくるのが
あなたにも見えるでしょう
落ちてはじけたタマシイは
泥水の中で一瞬だけ
幽かに光ると
沈んでは消えてゆきます
足元を照らす
その光だけをたよりに
みんな歩いていくから
だから
雨の日は誰もがまるで
幽霊のようなのです






自由詩 幽雨 Copyright 大覚アキラ 2005-09-05 11:54:42
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