絵葉書の告白
銀猫

まるで他人行儀な
挨拶で書き始めたのは
あなたの選んだ便箋が
何だか照れ臭く
上目遣いにさせたから



感情を露にせずとも
温かな文となるようしたためたい



そんな課題を自分に求め
解いても解いても
言葉に絡みつく感情から
あなたが目をそらしてくれるよう


絵はがきの短い便り



そんな
気恥ずかしさを
あなたは恐らく
読んでしまうやも知れません



宛名を書くとき
少し早くなった脈拍には


そのまま気付かぬふりで
どうぞ


代わりに
投函するとき少しだけ
祈ってしまったことを


今ならば
告白いたしましょう



(親愛なるあなたへ)




自由詩 絵葉書の告白 Copyright 銀猫 2005-09-01 09:22:40
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