熱帯夜
銀猫


闇の中で

もう眼も慣れたというのに

きみは眼を瞑れと言う

憐憫を乞う少女の真似をして




外は月の夜

カーテンの隙間から

差し込む我が味方は

白い背中と

汗に光る額とを

モノクロームに映し出し



いっそ破壊

そんな衝動に駆り立てる



愛しきはきみ

愚かしきは我


強気はきみ

臆病者は我




唄うように

奏でる奥深くの声に




魔物が潜んで

汗をかかせる



腕の痺れだけが

確かな現実で





自由詩 熱帯夜 Copyright 銀猫 2005-08-07 13:36:03
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鏡のくに