歌うきみ
銀猫




一瞬

ふたりの思惑は重なって

短い沈黙が生まれる



幾度触れても

求めたい唇に



一度は小鳥のように

二度目は

シェイクの最初の一口の強さで



触れる触れる

飲み干す




背に当たるスプリングの音が

やがて

先を急く舟となり



思惑通りか

冒険か

大きなうねりに向かってゆく




(あなたの繊細な狡賢しこさが欲しい)



(きみの我慢強さに挑むさ)




ぼんやりとした焦点が

やがて闇の曖昧の中で

小さな光の点となり

ぼくらは

そこを無言で目指す




きみを歌わせたいんだ

とても歌わせたいんだ




おしゃべりでは聞けない声で




ぼくが歌わせたいんだ













自由詩 歌うきみ Copyright 銀猫 2005-08-06 05:57:09
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